昔は一部の人が進学するイメージのあった大学でしたが、現在の大学進学率は50%を超えています。

文部科学省の調査によると、平成31年(令和元年)の大学進学率は53.7%だそうです。大学へ進学する人は年々増えている状況で、今はみんな当たり前に大学へ行くようになっています。

大学へ進学するとなると、心配になるのが入学金や授業料などの学費です。大学にはいくらぐらいの費用がかかるのでしょうか。

このページでは、大学入学にかかる費用、国立・公立・私立の学費の違い、4年間の学費、学費が高額な医大・歯科大・美大の費用についてもご紹介します。

大学進学率は53.7%(令和元年時点)

文部科学省の調査結果から、大学進学率の推移を見てみましょう。

※引用元:文部科学省「大学入学者数等の推移」を元に作成

平成10年度の大学進学率は36.4%ほどでしたが、年々上昇して平成21年度には50.2%と半数を超える学生が大学へ進学するようになりました。

平成25年度に大学進学率が若干下がりましたが、その後は上昇し続け、平成31年度(令和元年度)には大学進学率が53.7%となりました。

大学進学の目的は様々ですが、「高校卒業したら次は大学」という流れが当たり前になっています。

義務教育ではないので必ずしも大学に進学しなければならないわけではありませんが、ごく一部の方が就職するだけで、多くの方は当たり前に大学、少数の方が短期大学・専門学校へと進学していきます。

そうなると心配なのが大学の学費です。

私立大学の授業料と入学金の平均

まずは、私立大学の初年度納付金の平均を見てみましょう。文部科学省が「令和3年度入学者に係る学生納付金等調査」の結果を公表しています。

項目 金額
授業料 930,943円
入学金 245,951円
施設設備費 180,186円
合計 1,357,080円

※引用元:文部科学省「令和3年度入学者に係る学生納付金等調査」

私立大学の初年度納付金は、授業料、入学金、施設設備費の合計で1,357,080円が平均だそうです。

初年度だけで約136万円…やはり大学は費用がかかりますね。

私立大学4年間の学費

文部科学省の調査結果から、私立大学4年間の学費総額を出してみました。

項目 初年度納付金 4年間の総額
授業料 930,943円 3,723,772円
入学金 245,951円 245,951円
施設設備費 180,186円 720,744円
合計 1,357,080円 4,690,467円

私立大学4年間の総額は、単純に計算すると約470万円です。

入学金は初年度しかかかりませんが、授業料と施設設備費は4年間分かかります。

私立は学費が高いとよく聞きますが、国立や公立の大学ならもっと安いのでしょうか。

国立大学の授業料と入学金

国立大学の入学金と授業料は、国が標準額を定めていて、その範囲内で各大学が決めています。

国立大学の授業料と入学金
  • 授業料535,800円【標準額】
  • 入学金282,000円【標準額】
  • 学部が違っても学費は同じ

多くの大学が標準額の授業料535,800円、入学金282,000円を設定しています。国立大学なら学費はどこでも一緒と考えて良いと思います。(一部学費を値上げしている国立大学もあります。)

国立大学の場合には、医学部や歯学部であっても学費は同じです。私立大学に比べるとはるかに安いです。

国立、公立、私立の入学金と授業料を比較してみましょう。

項目 国立 公立 私立
授業料 535,800円 536,363円 930,943円
入学金 282,000円 391,305円 245,951円
合計 817,800円 927,668円 1,176,894円

※引用元:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を元に作成

国立は約82万円、公立は約93万円、私立は約118万円となっています。

国立と公立の差は11万円、国立と私立の差は36万円です。

国立大学4年間の学費

国立大学に進学した場合の学費4年間は、約243万円です。

国立大学 初年度の学費 4年間の学費
授業料 535,800円 2,143,200円
入学金 282,000円 282,000円
合計 817,800円 2,425,200円

国立大学4年間の学費は、私立大学4年間の学費約470万円に比べると半額程度で済みやはり安いですね。

国立大学の場合は学部が違っても授業料・入学金は同じです。

医学部や歯学部は6年間になりますが、6年間の学費でも約350万円ですのでかなり安いのではないでしょうか。

国立と私立の割合

大学へ進学するなら国立でと言いたいところですが、日本の大学は約8割が私立です。

大学区分 学校数
国立 82校
公立 95校
私立 597校
私立の割合 77.1%

※引用元:文部科学省「令和3年度国公私立大学入学者選抜」を元に作成

文部科学省の国公私立大学入学者選抜実施状況(令和3年度)によると、私立大学は597校あり全大学の77%(約8割)が私立です。

学費の安い国立に行きたいと思っても、国立大学は狭き門で簡単に行けるものではありません。

大学区分 入学者数
国立 79,687人
公立 23,592人
私立 201,116人
私立の割合 66%

※引用元:文部科学省「令和3年度国公私立大学入学者選抜」を元に作成

大学生の66%(約7割)が私立の大学へ通っています。国立大学に入学できたのは26%程度です。

大学の費用は国立で考えるのではなく、私立の費用を目安に考えておく必要があります。

文系学部の学費(私立)

文科系学部とは、文学部、外国語学部、教養学部、法学部、経済学部、商学部、福祉学部などです。令和3年度の学費の平均を見てみましょう。

項目 費用
授業料 815,069円
入学金 225,651円
施設設備費 148,272円
合計 1,188,991円

※引用元:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金」

私立大学文系学部の初年度の学費は、授業料、入学金、施設設備費の合計で約119万円です。

大学の学費は文系学部が最も安いので、その他の学部はもっと高くなります。

文系4年間の学費総額

文系学部の4年間の学費を計算してみましょう。

項目 費用 4年間の費用
授業料 815,069円 3,260,276円
入学金 225,651円 225,651円
施設設備費 148,272円 593,088円
合計 1,188,991円 4,079,015円

入学金は初年度だけの納付ですが、授業料と施設設備費は4年間分を支払います。

文系学部の4年間の学費総額は、4,079,015円になります。4年間で約408万円です。

理系学部の学費(私立)

理系学部とは、理学部、工学部、理工学部、獣医学部、農学部、情報学部などのことです。(医学部や歯学部も理系学部の中のひとつですが、学費が高く差があるので別にします。)

項目 金額
授業料 1,136,074円
入学金 251,029円
施設設備費 179,159円
合計 1,566,262円

※引用元:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金」

私立大学理系学部の初年度納付金の平均は、1,566,262円です。

文系学部は約119万円ですから、それに比べると約38万円高くなっています。

理系4年間の学費総額

項目 費用 4年間の費用
授業料 1,136,074円 4,544,596円
入学金 251,029円 251,029円
施設設備費 179,159円 716,636円
合計 1,566,262円 5,512,261円

理系学部の4年間の学費総額は、5,512,261円です。4年間で約551万円…高く感じるかもしれませんが、理系の学部なら普通です。

医学部の学費(私立)

医学部の初年度納付金の平均を見てみましょう。

項目 費用
授業料 2,670,071円
入学金 1,340,379円
施設設備費 1,097,202円
実験実習費 311,091円
その他 1,629,439円
合計 7,048,182円

※引用元:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金」

私立大学医学部の初年度納付金は、授業料、入学金、施設設備費、実験実習費、その他の合計で、7,048,182円です。

医学部は高いとよく聞きますが、初年度だけで約705万円です。始めの1年間で文系学部と理系学部の4年間の学費を超えてしまいました。

医学部6年間の学費

医学部6年間の学費を計算してみました。

項目 費用 6年間の学費
授業料 2,670,071円 16,020,426円
入学金 1,340,379円 1,340,379円
施設設備費 1,097,202円 6,583,212円
実験実習費 311,091円 1,866,546円
その他 1,629,439円 9,776,634円
合計 7,048,182円 35,587,197円

私立大学医学部6年間の学費総額は、35,587,197円です。平均で約3,560万円…ものすごく高いですね。

私立大学の医学部は安くても6年間で2,000万円程度、4,000万円を超える大学も普通にあります。

参考までに、国立大学の場合は、どの学部でも学費は同じです。北海道大学の医学部は授業料・入学金の6年間総額で約350万円となっています。国立は安いですね。

歯学部の学費(私立)

歯学部も医学部と同様に学費が高いです。初年度納付金の学費平均を見てみましょう。

項目 費用
授業料 3,267,136円
入学金 599,454円
施設設備費 631,960円
実験実習費 604円
その他 986,055円
合計 5,485,210円

※引用元:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金」

私立大学歯学部の初年度納付金は、5,485,210円です。約548万円です。

医学部に比べると安いですが、歯学部初年度納付金だけで理系学部の4年間学費総額と同じぐらいと考えるとすごい学費ですね。

歯学部6年間の学費総額

歯学部6年間の学費を計算してみました。

項目 費用 6年間の費用
授業料 3,267,136円 19,602,816円
入学金 599,454円 599,454円
施設設備費 631,960円 3,791,760円
実験実習費 604円 3,624円
その他 986,055円 5,916,330円
合計 5,485,210円 29,913,984円

私立大学歯学部6年間の学費総額は、29,913,984円です。約3,000万円ですね。

歯学部も国立の場合には、6年間の学費総額は約350万円となっています。私立の場合には、2,000万円から3,000万円かかります。

薬学部の学費(私立)

薬学部は理系学部のひとつですが、理系の中では学費が高い方です。薬学部の初年度納付金の平均を見てみましょう。

項目 費用
授業料 1,427,708円
入学金 334,717円
施設設備費 311,125円
実験実習費 30,766円
その他 74,125円
合計 2,178,441円

※引用元:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金」

私立大学薬学部の初年度納付金は、2,178,441円です。約218万円かかります。

薬学部6年間の学費総額

薬学部は薬剤師を目指す場合には6年制となります。薬学部の6年間の学費を計算してみました。

項目 費用 6年間の費用
授業料 1,427,708円 8,566,248円
入学金 334,717円 334,717円
施設設備費 311,125円 1,866,750円
実験実習費 30,766円 184,596円
その他 74,125円 444,750円
合計 2,178,441円 11,397,061円

私立大学薬学部6年間の学費総額は11,397,061円です。医学部や歯学部に比べるとずいぶん安いですが、それでも薬学部は約1,140万円かかります。

薬学部は学費の安いところでも6年間の総額は1,000万円ぐらいです。

芸大・美大の学費(私立)

芸大・美大も学費が高いと聞きますね。芸術学部の初年度納付金の平均を見てみましょう

項目 費用
授業料 1,130,319円
入学金 242,414円
施設設備費 273,410円
実験実習費 40,273円
その他 104,576円
合計 1,790,991円

※引用元:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金」

私立大学芸術学部の初年度納付金は、1,790,991円、約180万円ですね。

芸大・美大4年間の学費総額

芸術学部の4年間の学費を計算してみました。

項目 費用 4年間の費用
授業料 1,130,319円 4,521,276円
入学金 242,414円 242,414円
施設設備費 273,410円 1,093,640円
実験実習費 40,273円 161,092円
その他 104,576円 418,304円
合計 1,790,991円 6,436,726円

美大・芸大の4年間の学費総額は、6,436,726円でした。

美大や芸大は学部やコースによっても代わってきますが、4年間の学費は約600万円から800万円かかります。文系や理系の大学よりも学費が高めです。

学費以外にかかる生活費

入学金や授業料ばかりに目がいってしまいますが、大学入学にはまだまだ費用がかかります。

まず大学を受験するには、受験費用(受験料、交通費、宿泊費)がかかります。無事に入学が決まったら入学金と授業料を払って終わりではありません。

大学が遠ければ学生寮やアパート等の費用、一人暮らしのための費用がかかりますし、自宅通学の場合には、大学までの通学費がかかります。

  • 大学までの交通費
  • 住居費
  • 光熱費
  • 食費・日用品費
  • その他娯楽費など

大学が自宅から近くて通学費も安く済むならいいですが、中学や高校のように近くの大学に進学できるとは限りません。特に国立大学の場合は、寮やアパートなど自宅外通学をする方が多いです。

自宅外通学の学生の生活費

独立行政法人日本学生支援機構では、令和2年度に学生生活調査を行い、生活費にいくらかかったかを公表しています。

日本学生支援機構とは多くの学生が利用する奨学金(JASSO)の業務を行っている機構です。

学生寮通学の生活費(大学昼間部)

生活費 国立 公立 私立
食費 264,000円 190,900円 230,100円
住居・光熱費 227,000円 277,000円 315,800円
保健衛生費 36,100円 30,300円 38,100円
娯楽・し好費 116,300円 99,500円 116,500円
その他の日常費 153,000円 146,600円 144,100円
合計 797,300円 744,700円 844,600円

※引用元:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」をもとに作成

学生寮から通学する場合の生活費の平均は、年間約83万円です。

下宿・アパート通学の生活費(大学昼間部)

生活費 国立 公立 私立
食費 288,400円 265,600円 267,400円
住居・光熱費 530,400円 493,000円 483,000円
保健衛生費 40,200円 43,900円 43,100円
娯楽・し好費 136,900円 137,400円 135,700円
その他の日常費 146,900円 173,400円 162,400円
合計 1,142,800円 1,113,300円 1,091,600円

※引用元:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」をもとに作成

下宿やアパートから通学する学生の生活費の平均は、年間で約111万円です。

これら生活費の他に、授業料などがかかります。

大学生の授業料と生活費の合計

授業料と生活費などで年間いくらかかるか見てみたいと思います。

居住形態 国立 私立
自宅 987,100円 1,704,800円
学生寮 1,274,900円 2,090,600円
下宿・アパート 1,721,800円 2,414,300円

※引用元:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」をもとに作成

居住形態や大学が国立か私立かなどで費用が違ってきますが、自宅通学で国立の場合は年間約99万円、自宅通学で私立の場合は年間約170万円かかります。

学生寮の場合は、国立で年間約127万円、私立で年間約209万円です。

下宿やアパートの場合には、国立で年間約172万円、私立で約241万円となっています。

初年度は上記にプラスして入学金がかかります。それから学部によって授業料が違いますので、高い学費の学部に進学した場合には、上記よりさらに費用がかかります。

保護者は毎月いくら稼げば足りるのだろう…と心配になる金額ですね。

奨学金や教育ローンを活用

大学の費用が心配な時に考えたいのが、奨学金と教育ローンの利用です。

  • 奨学金
  • 教育ローン

奨学金と聞くと苦学生をイメージする方もいるかもしれませんが、今は多くの大学生が奨学金を利用しています。2020年の調査によると、学生の約半数が奨学金を利用している状況です。

奨学金を利用している学生のうち、約8割が日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を受けています。JASSOの奨学金には、返済不要の給付型奨学金と返済が必要な貸与型奨学金があります。

教育ローンは銀行など民間の金融機関の他に、国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)があります。国の教育ローンは民間よりも金利が低いため、こちらも多くの方が利用しています。

日本学生支援機構の奨学金(JASSO)

日本学生支援機構(JASSO)とは、文部科学省所管の機関で奨学金の給付や貸与を行っている機構です。大学生の2.7人に1人がJASSOの奨学金を利用しています。

日本学生支援機構の奨学金とは
  • 国の機関による奨学金
  • 給付型と貸与型の2種類の奨学金
  • 貸与型は第一種(無利子)と第二種(有利子)
  • 大学無償化の対象学生は授業料・入学金の免除、減額

JASSOの奨学金には、給付型と貸与型があり、貸与型は無利子と有利子があります。

給付型奨学金が利用できるのは、特に経済的に厳しい方で、住民税非課税世帯の学生や生活保護受給世帯の学生などが対象です。

種類 対象
給付型奨学金 住民税非課税世帯や生活保護受給世帯
貸与型第一種奨学金 評定平均3.5以上、所得基準厳しめ
貸与型第二種奨学金 学力平均水準以上、所得基準比較的ゆるめ

最も多く利用されているのは貸与型の第二種奨学金です。利息はありますが、低金利で借りられることと、所得基準や学力基準がわりとゆるめに設定されているので、審査に通る方が多いです。

給付型は返済不要の奨学金ですが、貸与型の第一種と第二種は必ず返済する必要があります。借りる前に知っておきたいポイントは以下のとおりです。

奨学金を借りる際のポイント
  • 借り主は学生(返済義務は学生にある)
  • 初回振込日は4~6月(予約採用)、6~7月(在学採用)
  • 入学金納付時には間に合わない
  • 毎月入金されるので貯めておくことが必要
  • 返済は卒業後から

奨学金の借り主は学生です。返済は大学卒業してから始まりますが、返済義務は学生にあることを知っておきましょう。

奨学金の初回振込日は、予約採用(高校3年生の申込み)で4月から6月に入金、在学採用(大学入学後の申込み)で6月か7月に入金となっています。

入学金や前期授業料の納付は大学入学前となっていますから、奨学金を入学金や前期授業料に充てることはできません。また、奨学金は毎月口座に入金となりますので、口座に貯めておいて授業料の支払日に支払う形になります。

もっと詳しくJASSOの奨学金を知りたい場合には、別ページ「日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の種類」をご覧ください。

国の教育ローン(日本政策金融公庫)

日本政策金融公庫の教育一般貸付は、国の教育ローンと呼ばれるもので低金利で借りられるため多くの方が利用しています。

教育一般貸付とは
  • 国の政策金融機関の教育ローン
  • 融資限度額は子ども1人つき350万円まで
    ※一定要件に該当する方は450万円まで
  • 金利年1.80%(令和4年5月2日現在)
  • ネットで24時間365日申込可能

融資限度額は子ども1人につき350万円以内です。自宅外通学や医学部や歯学部といった5年以上の大学の場合には、450万円まで借りることができます。

インターネットでいつでも申込みできます。

教育ローンを借りる際のポイント
  • 借り主は保護者(返済義務は保護者)
  • 最大350万円までまとまったお金が借りられる
  • 融資まで最短20日前後~3ヵ月
  • 在学期間中は利息のみ返済にすることもできる
  • 融資が必要なくなればキャンセル可能

教育ローンの借り主は保護者です。返済義務は保護者にあります。

申込みから融資まで最短で20日前後~3ヵ月かかるので、入学金納付時期に合わせて早めに申込することをおすすめします。(借りる必要がなくなればキャンセルすることもできます。)

奨学金は大学入学後に毎月入金される形ですが、教育ローンの場合は入学前にまとまった費用を借りることができます。また、高校3年生のうちに早めに申し込むことで、入学金と前期授業料の納付時期に十分間に合います。

教育ローンは毎月返済していきますが、在学期間中は利息だけ返済する形にもできます。

国の教育ローンをもっと詳しく知りたい方は、別ページ「国の教育ローンの申込方法と年収基準」をご覧ください。

奨学金と教育ローンは併用可能

日本学生支援機構の奨学金と国の教育ローンは、併用して借りることもできます。

大学入学前にまとまった費用を借りられる教育ローンで入学金と前期授業料を納付し、大学入学後に毎月入金される奨学金は後期授業料と2年生以降の授業料に充てることで、学費の心配がなくなります。

どっちがいい?
  • 入学金・前期授業料が必要→教育ローン
  • 後期授業料が必要→奨学金
  • 全部必要→教育ローンと奨学金の併用

金利は教育ローンより奨学金の方が低いです。奨学金を借りることを基本にして、入学金等まとまったお金が必要な場合には教育ローンも借りるというように考えるといいと思います。

給付型奨学金に該当する学生は、第一に奨学金の利用を考えましょう。

大学無償化は低所得世帯の学生が対象

2020年4月から始まった大学無償化制度を知っていますか?

大学無償化は、日本学生支援機構の従来からあった奨学金の支援の幅を広くし、授業料や入学金を免除または減額する制度です。

無償化と聞くと全ての学生が無償になると思ってしまいますが、大学無償化制度はごく一部の低所得世帯の学生しか利用できません。

大学無償化とは
  • 住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯の学生が対象
  • 世帯年収によって入学金・授業料の免除・減額
  • 給付型奨学金と合わせると最大約187万円無償(入学初年度)

入学金・授業料の免除の他に、給付型奨学金の給付も合わせると、入学初年度には最大約187万円、2年目以降は最大約161万円無償になります。

大学無償化の支援額は、世帯年収や家族の年齢によって異なりますが、家庭の経済状況を理由に大学進学を諦めることのないよう、該当する学生はぜひ申込みを検討しましょう。

大学無償化について詳しく知りたい方は、別ページ「大学無償化の対象者と所得制限」をご覧ください。

大学生のバイト月収平均

我が家は上の子があと2年で大学進学予定です。学業優先といっても大学は義務教育ではないので、アルバイトをして通学費用や自分のお小遣いなどを稼いで貰いたいと思っています。

大学生のバイト月収はどれくらいか調べてみました。

居住形態 平均収入 月収
自宅 407,200円 33,933円
学寮 180,500円 15,041円
下宿・アパート 334,600円 27,883円

※引用元:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」をもとに作成

日本学生支援機構の学生生活調査(令和2年度)によると、自宅から通学している学生のバイト年間収入の平均は40.7万円だそうです。月収にすると約3.4万円になります。

学寮から通学している学生のバイト年間収入の平均は18万円で、月収にすると1.5万円でした。

下宿・アパートの学生のバイト年間収入の平均は33.5万円で、月収にすると2.8万円です。

アルバイトで毎月34,000円…思ったよりも少ない月収に感じるのではないでしょうか。これはバイトしていない学生も調査対象に入っているからです。

実際にはもっと多く稼いでいる学生もいます。夏休みには月10万円ぐらい稼ぐ学生も多いです。

学費のためにとにかくバイトをすればと思うかもしれませんが、年間給与が103万円を超えてしまうと親の扶養から外れ、親の税金が増えることになるので注意が必要です。

国立大学の初年度納付金は約82万円、4年間の学費は約243万円です。一方で私立大学の初年度納付金は約118万円、4年間の学費は約470万円かかります。大学進学費用は思っている以上にかかるので、心配な場合には奨学金や教育ローンの利用を考えましょう。